公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
  平成21年度中国四川高校生訪日団が来日  東京・秋田・青森の高校生と交流  
  平成21年度中国四川高校生訪日団(総団長・李卓明 四川省教育庁 副庁長)が、8月22日から30日まで来日した。同団は、2008年5月に発生した四川大地震の被災地から選抜された99名で構成され、08年2回の訪日に続き3回目の招聘となる。一行は、東京都において学校交流に参加したほか、青森県、秋田県において日本の学校生活を体験し、夜は合宿交流プログラムを通じて日本の高校生との友情を育んだ。
東京では、まず中華人民共和国駐日本国大使館を表敬訪問し、孫建明 公使参事官から歓迎の辞が述べられた。24日は外務省表敬訪問、セミナー、歓迎レセプションに出席。外務省表敬では井川原賢 アジア大洋州局中国・モンゴル課日中経済室 首席事務官が会見し、四川大地震の被災地から来日した団員に慰問の意を表するとともに、「長期にわたる安定した日中関係を構築するために、その基礎となるのは未来を担う青少年間の相互理解と相互信頼である。学校交流や合宿など同世代との交流を通じて、互いにありのままの姿を理解してほしい」と団員への期待を示した。同日、王敏 法政大学国際日本学研究所教授を講師に迎え、「若者の日中-蜀花・蜀道・蜀魂」をテーマとした日中関係セミナーを受講。王氏は漫画や食文化など身近な題材を切り口に日本の文化や風俗習慣を紹介し、今後の日中関係においては両国の文化を比較して違いを知ることが重要と強調した。

夕刻に行われた歓迎レセプションには、小原雅博 外務省アジア大洋州局審議官、孫建明中華人民共和国駐日本国大使館公使参事官らが出席。ミス日本グランプリの宮田麻里乃さんとミス日本ミス着物の松本蘭さんが特別ゲストとして登場し、艶やかな着物姿とバイオリン演奏で団員を激励した。また、阪神・淡路大震災の被災地となった兵庫県三木市の高校生代表も会場に駆けつけ、寄せ書きと千羽鶴、募金を贈呈すると、李卓明総団長は訪日団を代表して「日本の皆様方のご芳志を被災地復興のために有効活用させて頂きたい」と謝辞を述べた。

このほか都内では、品川清掃工場や中央防波堤埋立処分場などの環境施設を見学。廃棄物の減量と再資源化、分別収集など日本人の環境問題に対する意識の高さに感心し、説明を聞きながら熱心にメモをとる姿が見られた。

都内で日本の学校生活を体験
一行は、日本滞在中、東京都で1回、地方で1回の計2回、学校交流プログラムに参加した。東京都の受け入れ校は4校で、いずれも夏季休暇中のため、部活動参加や校内見学を中心に、日本の学校生活を体験。親しくなった日本の高校生に、「勉強と部活動の両立をどのように図っていますか」などと質問し、日本の高校生が勉強だけではなく行事や部活動などの課外活動にも意欲的に取り組んでいる様子を見て、大いに刺激を受けたようだった。

都立杉並総合高校で和太鼓部に参加した団員は、同部の生徒に教わりながら簡単なリズム打ちに挑戦。「和太鼓の練習は、仲間と音を合わせるための協調性や集中力を鍛えることができる。姿勢や所作の美しさなど日本文化に学ぶべき点は多い」と感想を述べ、短時間ではあったが日本の文化や習慣について身をもって学習することができた。ほかにも茶道・華道体験や工業高校の特色を生かしたものづくり体験、吹奏楽部による歓迎演奏を用意した学校もあり、人気を博していた。

訪日団にとって初めての直接交流の場であったため、始めは緊張した表情だったが、言葉が分からなくても英語やジェスチャーでなんとか伝えようと頑張っている姿があちこちで見られた。帰り際には仲良くなった生徒と一緒に記念撮影をしたり、お土産や心連心サイトの説明書を渡したり、メールアドレスを交換したりと、それぞれが楽しく有意義な時間を過ごし、日本高校生との別れを惜しんだ。

各訪問地で合宿交流
26日からは2コースに分かれ、第1分団は秋田県、第2分団は青森県へ。学校交流を行ったのは、東京都4校のほか、秋田県1校、青森県3校の計8校で、秋田と青森の両県では学校訪問後、合宿所にて交流プログラムを展開。各訪問校の生徒と寝食を共にした。

秋田コースは、夕食後、日中双方が歌や踊りなどの出し物を披露。続いて日本高校生がヤートセを、中国高校生がチャン族の踊りを互いに教え合い、会場は熱気と一体感で包まれた。その後、日中高校生は、寝具を各自の部屋へ運び入れたり、布団を敷いたりと、部屋ごとに行動をともにしながら互いの交流を深めた。

青森コースは、訪問校別に日中混合のチームに分かれ、学校対抗クイズ大会を実施。日中に関する二者択一問題に挑み、正解が発表されるたびに拍手と歓声が湧き上がって大いに盛り上がりをみせた。後半は、太鼓の音の数だけ人数を集めてグループをつくるゲームや、全員で一つの大きな輪をつくり、音楽に合わせて体を使うレクリエーションに汗を流した。多くの中国高校生がリラックスして交流を楽しみ、こんなに無我夢中で楽しんだのは本当に久しぶりだと語る団員もいた。
両コースとも翌朝は日中の高校生が一緒に朝食をとり、バスに乗り込んでお別れとなっても、双方いつまでも手を振り、別れを惜しんでいた。

地方滞在中は厳しい暑さも和らぎ、青森コースは奥入瀬渓流や十和田湖などの自然景勝地や三内丸山遺跡を参観し、また、金魚ねぷたの絵付けやねぶた運行を体験。一方、岩手を経由した秋田コースは小岩井農場まきば園参観やチャグチャグ馬子作り体験の後、秋田入りして角舘武家屋敷通りを参観するほか、竿灯演技を体験するなど、両コースとも土地の歴史と風土が育てた伝統文化を身近に体験し、理解する良い機会となった。

一行は29日に成田で合流。歓送報告会には、北京から駆けつけた劉宝利 中国教育部国際合作与交流司副司長も出席し、生徒代表より訪日の成果と今後の抱負が語られた。最後に、訪日団全員が「感恩的心(感謝の心)」を手話付きで熱唱。外務省をはじめとする日本側受け入れ機関に対して感謝の意を表し、プログラムの最後を締めくくった。

懸念されていた新型インフルエンザ流行による影響もなく、訪日団は全日程を無事終了し、8月30日に成田空港より帰国の途に着いた。本事業の実施にご協力いただいた外務省、文部科学省、中国大使館、各都県教育委員会と受入関係機関、学校関係者の皆様に厚く御礼申し上げたい。 
 (総合交流部)

 
 
日程表    参加者感想文
 
 
四川の高校生がチャン族の踊りを披露
(歓迎レセプション)
 

小原雅博外務省アジア太平洋局審議
官が挨拶(歓迎レセプション)
 

チャグチャグ馬子作り体験(岩手県)
 
 

合宿所にて学校対抗クイズ大会で交流
(青森県)
 
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