青海省震災復興訪日視察団が来日、震災復興にかける強い思い
当財団は外務省より委託を受け、次世代幹部交流の一環として7月11日より17日まで、平成22年度中国青海省震災復興訪日視察団(団長=馬順清・青海省政府副省長、一行30名)を招聘した。代表団は本年4月14日に青海省玉樹地区を中心に発生した大地震の復興を目的に、青海省の行政関係者で構成され、東京都、新潟県、兵庫県を訪問し、各地で震災復興現場の視察、意見交換を行った。 代表団は7月11日に羽田から入国。12日は大島敦内閣府副大臣を表敬訪問し、その後、内閣府担当官と意見交換を行った。午後には財務省、厚生労働省、環境省、経済産業省の各担当官と意見交換を行い、防災の取り組み、災害発生時の政府の対応、復興計画の作成について説明を受けた。団員は担当者の説明を聞きながら、熱心にメモをとり、質疑応答の時間では様々な質問が出るなど震災復興へかける強い思いが感じられた。その後、外務省へ移動し、藤村修外務副大臣への表敬訪問を行った。同日夜の歓迎レセプションには西村智奈美外務大臣政務官をはじめ、多数の来賓が参加し、馬順清副省長が「震災経験の豊富な日本から防災の取り組み、復興計画を学び、青海省の1日も早い復興をなしとげなければならない」と強い決意を述べた。13日は国土交通省で意見交換を行った後、新潟県へ移動。新潟県庁に泉田裕彦新潟県知事を表敬訪問した後、新潟県の防災の取り組みについて説明を受けた。14日は長岡市を訪問し、新潟中越地震で大きな被害を受けた旧山古志村の震災現場を見学。復興計画と復興の課題について説明を受けた。団員からは住民が元の生活に戻るためには何が必要なのか、補償の対象、方法について多くの質問がでた。15日は兵庫県へ移動。兵庫県公館において吉本知之兵庫県副知事への表敬訪問を行った後、阪神淡路大震災での復興計画について説明を受けた。その後、三木市に移動し、兵庫耐震工学研究センターを訪問し、建築物の耐震調査施設を見学した。16日は人と防災未来センターにて貝原俊民前兵庫県知事と懇談を行った後、同施設を見学した。その後、神戸市灘区で復興計画の説明を受けた後、区内の防災施設、再建された市街地の視察を行った。
本代表団は日本における防災の取り組みと復興計画を学ぶという所期の目的を達成し、17日に関西国際空港から全員無事に帰国した。訪日団のアンケートでは日本側受け入れ機関に対する感謝と青海玉樹地区復興にかける強い思いが寄せられた。当財団としても、本事業の実施が青海玉樹地区の復興の一助になり、ひいてはそれが恒久の日中友好関係を築く基礎になればと願うものである。 最後に、当事業の実施にご協力いただいた関係機関各位に厚く御礼申し上げたい。
(総合交流部)