日本青年映像関係者代表団が訪中 日中映像交流事業開幕行事に参加
日本青年映像関係者代表団(一行43名)が、2011年6月7日から6月13日の日程で訪中した。本事業は外務省主催事業で、当財団が実施を担当した。本代表団は、映画、映像、漫画等に関係する大学生・大学院生・専門学校生等により構成され、北京市および上海市を訪問し、日中映像交流事業開幕行事に参加したほか、北京電影学院や上海市内の大学生との交流をはじめ、中国の映像分野に関連する視察を行った。 日中映像交流事業は、昨年5月の日中首脳会談で今年度の実施が合意されたもので、6月8日の北京での開幕イベントを皮切りに、北京・上海で「日本映画、テレビ週間」、「日本アニメ・フェスティバル」を実施するほか、2011年中に日中両国において数々の関連事業が予定されている。 本事業に参加した学生は、中国における映画・アニメの発展状況に対する理解を深めるとともに、交流を通じて現地の大学生らと親睦を深めた。 本代表団は6月7日に北京より入国、当日は中央電視台を訪問し、スタジオや中央制御室等を参観した。8日は、中国デジタル制作基地(国家中影数字制作基地)、天安門広場を参観した後、中国国家博物館で開催された日中映像交流事業「日本映画、テレビ週間」、「日本アニメ・フェスティバル」開幕式典および交流会に出席した。 開幕式典には、麻生太郎総理特使、温家宝総理、蔡武文化部長等が出席した。麻生総理特使、蔡文化部長の挨拶の後、麻生総理特使と温総理によるマスコット点灯式が行われた。開幕式典に続いて行われた交流会には、日本から参加した俳優陣の紹介、北京日本人学校児童による歌の披露等が行われ、賑やかな会となった。 6月9日は中国唯一の映画専門の高等教育機関である北京電影学院を訪問した。キャンパス参観や同学院の大学生と昼食をとりながらの自由交流の後、午後には、山田洋次監督の「母べえ」上映会・トークショーに参加した。夕食には山田洋次監督も参加いただき、学生団員にとっては監督と直に話ができる貴重な機会となった。 6月10日には北京から上海へ移動し、上海外国語大学をはじめとする上海市内の5大学の日本語学科学生と交流を行った。中国の学生の堪能な日本語に驚くとともに日本のアニメの話や日常生活の話に花が咲いた。上海では、12日に行われた「2011上海・日本映画週間」オープニング交流会への参加のほか、中国でも歴史が古く数多くの人気のあるアニメーション作品を手がけたアニメ製作所である上海美術電影製作所や1930年代の上海の街並みのセットがある上海影視楽園等を訪問した。団員は、特に切り絵、水墨画、人形を用いる等中国の特色ある技法を用いたアニメーションに感銘を受けた様子であった。 6月13日、全日程を終了し、一行は無事に帰国の途に就いた。訪中に参加した学生からは、「映画上映の際の観客の熱意が最も印象的。全体で笑いあったり拍手をしたりするのが素晴らしいと思った」、「中国人は、自分の意思を持ち、しっかりと発言できる人が多く、尊敬する部分が多くあった」といった感想が聞かれ、訪中を通して大きな刺激を受けたことがうかがえた。 最後に、今回の訪中にあたり、ご指導ご協力いただいた関係者の皆様に厚くお礼申し上げたい。 (総合交流部)