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中国高校生訪日団2007年度第2陣が来日 Aコースは宮城、福島、北海道、長野で交流
21 世紀東アジア青少年大交流計画(日中21 世紀交流事業)2007 年度中国高校生訪日団第2陣(康寧総団長、一行400 名)が、2007 年7 月11 日から7 月19 日まで来日した。2007 年1月に開催された第2回東アジア首脳会議(EAS)で安倍総理が、大規模な青少年交流を通じてアジアの強固な連帯にしっかりとした土台を与えるとの観点から、今後5年間、EAS参加国を中心に毎年6,000 人程度の青少年を日本に招くことを発表した。政府は、350 億円の予算措置で「21 世紀東アジア青少年大交流計画」を今年度よりスタートさせ、これまで「21 世紀日中交流事業」として当財団が外務省の委託を受けて行ってきた高校生の相互訪問交流は、「21 世紀東アジア青少年大交流計画」の一環として継続・拡充されることになり、今年度は1,900 名の中国高校生短期受け入れや1,000 名以上の日本高校生を中心とした青少年の派遣を予定している。本団はこの中国高校生訪日団の今年度第2陣として来日。北京市、上海市、河北省、
内モンゴル自治区、江蘇省、湖南省、四川省、陜西省から選抜された中国高校生で構成された400 名の大規模な代表団であるため、Aコース202 名Bコース198 名の2コースに分けて、当財団(Aコース)と㈳日本中国友好協会(Bコース)が受け入れ実施した。
経験を日中友好の礎に
当財団が受け入れたAコースは北京市、上海市、湖南省からの 202 名。7 月12 日の外務省表敬訪問では、高島肇久参与をはじめ田尻和宏中国課地域調整官が会見した。高島参与は「日本で今何が起きているのか、日本人が何をしようとしているのか、ということを一人一人が体験し、そしてその経験を記憶にとどめて、これからの日中友好の礎にしていただきたい」と歓迎の言葉を述べた。康寧総団長は「中日両国には環境保護など共通の課題がある。今回の訪問は必ずや友好の種をまき、中日両国関係のすばらしい未来を切り開き、中日の代々にわたる友好の懸け橋を築くだろう」と述べた。また、生徒代表の陸佳偉さんは「私は上海で日本語を勉強している。今回の訪問でもっとよく日本を知り、日本の文化を知り、多くの日本人と友達になれるでしょう」と流ちょうな日本語で期待を述べた。団員からは、日本の環境対策や教育について積極的に質問が出された。日中関係に関するセミナーでは、谷野作太郎・当財団副会長(元中国大使)が「日本、中国、そして世界」と題して講演し、「21 世紀の日中関係は皆さんの手で良好に」と述べた。歓迎レセプションはA、Bコース合同で開催され、浜田昌良外務大臣政務官、孔鉉佑中国駐日公使、孫建明公使参事官などをはじめ、代表団を含め日中双方の総勢500 名を超える出席者が集まり盛大に催された。7 月13 日にはグループに分かれて都立高校9校を訪問し、授業や部活動あるいは茶道や華道の体験などの交流プログラムに参加した。中国高校生は日本の高校生との交流を楽しみ、学校交流が終了すると、来日時からの緊張もすっかり解けたようだった。
多彩な学校交流プログラム
7 月14 日から18 日までは福島、宮城、北海道、長野の4コースに分かれ視察・交流を行った。代表団は各地で熱烈な歓迎を受け、各県教育庁への表敬訪問、学校交流、ホームステイ、環境・文化施設参観、地方色豊かな体験学習を行った。宮城県では、まず県内18 校から91 名が参加して開催された宮城県高等学校国際教育研究会にゲストとして参加し、グループに分かれてのトークを通じて相互理解を深めた。翌日は、宮城県の佐々木義昭教育長が出席したオリエンテーションの後、県立高校10 校に分かれて学校交流とホームステイを行った。前日の研究会で知り合ったメンバー同士、すぐに打ち解けた様子で、英語や古典、生物などの授業に参加し、さまざまな部活動を体験・見学した。福島県では、代表メンバーが内堀雅雄副知事に表敬訪問したほか、野地陽一教育長がオリエンテーションに出席した。高校生からは日本の高校生活や留学生受入制度について、活発に質問が出された。福島県を訪問したのは上海市のメンバー。都会っ子の生徒たちには、自然豊かな福島は印象深かったようだ。学校交流では、県立4校を訪問し、環境問題ウルトラクイズや縄跳び大会に参加したり、琴の演奏を体験したりと楽しんだ。北海道では、道庁オリエンテーションで、地域の概要や教育事情について紹介を受け、野生動物との共生のための対策やアイヌ文化の継承などについて、中国高校生から質問が出された。学校交流・ホームステイは道立と私立の4校で行われ、授業参加のほか、学園祭の準備に参加したり、お好み焼きを作ったりと、英語や筆談で親睦をはかった。長野県を訪問した一行は、台風と地震に見舞われたが、全員無事に予定をこなした。県立2校と私立1校を訪問、交流し、盛大な歓迎会に参加したり、理科の実験や剣道、柔道などの体験、英語での買い物競争のゲーム、日本文化理解の授業に参加するなどした。
ホームステイで日本の生活を体験
いずれの地でも最も人気が高かったのはホームステイ。中国高校生だけでなく、日本側の受入家庭にも大変好評で、短い時間ながらも、各家庭で心のこもった温かいもてなしを受け、ありのままの日本の生活スタイルを見たことは、中国高校生にとって、得難い体験となった。別れ際には両国の高校生は再会を誓い、涙をみせて別れを惜しむ高校生もいた。学校交流とホームステイについて、中国の高校生から「日本の高校生と同じ趣味、好きなアイドル、食べ物、スポーツなど共通点をたくさん発見できた」「日本の教育は勉強だけでなく、部活動が盛んで、バランスの取れた人格の形成を図っている」「ホームステイで我が家のようにくつろいだ」「日本人の優しさと気遣いに感激した」などの感想が寄せられた。同団はまた、各コースとも環境施設を参観した。丸の内オフィスビル内の農業施設、北海道の下水処理施設と長野の清掃センター参観を通じて、日本の先進的な技術と施設、社会における環境意識の高さに感心し、「帰国後に日本の取り組みを紹介し、中国の環境問題の改善に寄与したい」という感想も聞かれた。このほか、宮城コースでは松島、魯迅碑、青葉城公園などを参観、福島コースでは会津武家屋敷や五色沼を参観し、赤べこ絵付けを体験、長野コースでは松本城や善光寺などの参観とそば打ち体験、北海道コースでは小樽市内、札幌市内参観とアイヌの民族楽器製作を行い、各地の名勝旧跡と文化に親しんだ。
最後に東京に集合して行われた歓送会では、口々に関係者への感謝の気持ちを表明、「交流とホームステイを通して日本の高校生と結んだ友情が末永く続きますように」との願いが述べられた。訪日団Aコース一行は、7 月19 日、東京から帰国した。本団の受け入れにご協力いただいた外務省、文部科学省、各地教育委員会、学校関係者、ホームステイ家庭の皆様に厚くお礼申し上げたい。今年度から、年間1,900 名の短期受け入れが始まり、日中高校生交流の急速な広がりが期待される。来日した中国の高校生は意欲的かつ積極的であり、この事業が日本の高校生にとっても有意義な国際理解の場となり、相互の信頼を増す一助となるよう当財団としても、一層努力する所存である。 (総合交流部)
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